ステマ規制の影響: インフルエンサーPR投稿の新たな展開
ここ最近のKOLマーケティング（インフルエンサーマーケティング）は、ステマ規制の強化によって大きな変化を迎えています。報道前に比べ#PRや#広告をつけた投稿が爆発的に増加しました。
そのような状況において、KOLANは単純なフォロワー数ではなくエンゲージメントやファンとの結びつきによってインフルエンサーの影響力を可視化する必要性を感じたため、2023年6月7日にnstagramに投稿されたインフルエンサーによるPR投稿ランキングを発表します。ランキングはエンゲージメントスコア（いいねやコメント数など）によって判断され、いいね数が非表示になっている投稿でも独自技術を用いて集計を行っています。このランキングにより、現在のインフルエンサーマーケティングのトレンドや影響力を一緒に探求していきましょう。
調査概要
調査方法：KOLANで開発中のソーシャルリスニング分析ツール
対象期間：2023/6/7 00:00 – 2023/6/7 23:59
対象SNS：Instagram
対象ハッシュタグ：#PR #AD #sponsored #スポンサード #広告 #記事広告
対象投稿数：843件(以下、内訳)
| hashtag | post_count |
|---|---|
| pr | 578 |
| 広告 | 269 |
| ad | 10 |
| sponsored | 5 |
| スポンサード | 0 |
| 記事広告 | 0 |
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10位：@minami.riho
- エンゲージメントスコア:1302
- いいね数:1292
- コメント数:5
この投稿は、広告主のPR活動として明確に識別されているため、ステルスマーケティング（ステマ）には該当しないと言えます。投稿者はハッシュタグ（#pr）を使用して、その事実を明示しています。これにより、投稿が広告であるという情報が適切に伝わり、消費者が自身の判断を正しく行うことが可能になります。
一方で、投稿へのコメントについては、商品そのものへの評価や質問はほとんどなく、投稿者本人に対する称賛や他の話題に関するコメントが多いという状況が見られます。例えば、「高めのハーフアップめちゃくちゃお似合いです🥹🥹🥹」や「可愛い❤️😍」といったコメントは投稿者の容姿について言及しているもので、商品そのものに関するフィードバックではありません。
したがって、この投稿の購買への影響力は低いと評価できます。これは、消費者の購買意欲を引き出すためには、商品についての具体的な情報交換や評価が必要であるというマーケティングの基本的な原則から考えられます。この投稿の場合、その要素が十分に見られません。
9位：@mimi_rin_202010
- エンゲージメントスコア:1355
- いいね数:1291
- コメント数:32
この投稿もステルスマーケティング（ステマ）には該当しないと言えます。投稿者が#prというハッシュタグを使って広告であることを明示しており、消費者はこの投稿がプロモーションの一部であることを理解できます。
投稿に対するコメントを見ると、商品やブランド（この場合はバイクや道の駅）に対するコメントがいくつか見られます。「飾ってあるcbに乗りたい😁」や「御神体がCB1300なんかなぁ😆」、「以前は違うバイクでしたよ😃」など、商品自体に関心を持つコメントがあり、投稿がフォロワーの関心を喚起していることがわかります。
また、「持ち上げろ〜！運を上げろ〜！」や「めいちゃんと💪二人でCB1300を🏍️持ち上げてる😱😁いいショットです📸撮りたくなるね👍お疲れ様☕️⛩️見つかったんだ✨」など、投稿者の行動や体験に共感・関心を示すコメントもあります。これらは商品自体だけでなく、投稿者が提供するライフスタイルや体験への関心も示していると言えます。
その一方で、「お姉さんデニムめっちゃカッコいい💓😍💓‼️」や「2人とも😍👍🏻 ̖́-︎👍🏻 ̖́」など、投稿者自体の魅力に対するコメントも多く見られます。
この投稿がフォロワーの購買行動に影響を及ぼすかどうかは一概には言えませんが、投稿に対する反応から見ると、商品に対する興味や関心を引き出す一方で、投稿者自身の魅力にも引き寄せられるフォロワーがいることが推察できます。したがって、購買への影響力はポジティブともネガティブとも言える微妙な状況といえるでしょう。
8位：@rintaro_asari
- エンゲージメントスコア:1505
- いいね数:1487
- コメント数:9
この投稿は、ブランドや商品について詳細に述べており、かつ#prというハッシュタグを使用して広告であることを明示しています。そのため、ステルスマーケティング（ステマ）には該当しません。投稿者は自身が広告を行っていることを隠していません。
投稿に対するコメントを見ると、商品やブランドに対する具体的なフィードバックや質問がほとんど見られません。多くは絵文字や一言コメントで、これらは商品やブランドに対する明確な興味や感想を示しているわけではありません。
コメント内容から商品に対する具体的な意見や反応が読み取れないため、購買への影響力は低いと言えるでしょう。また、投稿が英語で、コメントの多くが他の言語で書かれていることも、商品への理解や反応が低い可能性を示しています。
7位：@namiki_golf
- エンゲージメントスコア:1554
- いいね数:1542
- コメント数:6
この投稿を見ると、投稿者がルコックのゴルフウェアを着用してゴルフを楽しむ様子を共有していることがわかります。また、投稿者はそのゴルフウェアとサンバイザーの特徴を詳しく説明し、自身の体験を共有しています。これは商品の詳細情報を提供し、一部のフォロワーが購入を検討するための具体的な情報を提供していると解釈できます。
コメントを見ると、投稿者への一般的な好意的な反応が多く見られますが、商品自体についての明確な言及は少ないです。しかし、「ttunet」のユーザーは「一度行ってみたいです！ナミキちゃん羨ましい」とコメントしており、投稿者の体験に対して一定の共感を示しています。これは投稿者の活動や使用商品に対する興味や好奇心を示していると解釈でき、そのため、投稿者が推奨する商品に対しても一定の信頼感や興味を持つ可能性があります。
全体的に見ると、フォロワーの購買への影響力は中程度と評価できます。投稿者に対する一般的な好感度は高いものの、商品自体に対する具体的なフィードバックや質問が少ないため、直接的な購買意欲を刺激するには限定的かもしれません。ただし、投稿者の体験に共感するコメントがあるため、投稿者が推奨する商品に対する興味や信頼が一定程度あると推測できます。
6位：@myt_002
- エンゲージメントスコア:2477
- いいね数:2433
- コメント数:22
この投稿について考察しますと、投稿者がサステナブルな商品についてのイベントを訪れ、特に興味を持ったマワのジャストフィットハンガーについて細かく紹介しています。商品の特性、使用感、そしてエコフレンドリーな特徴について具体的に述べている点は、フォロワーにとって興味を引く情報となり、商品に対する興味や購買意欲を引き出す可能性があります。
コメントを見ると、投稿者に対する一般的な好意的なコメントが多いですが、商品に関する具体的なコメントもいくつか見られます。特に、「ai.kobi0903」の「わぁー色々教えてくれてありがとう😊ロフト行って同じ商品見てくるね！」というコメントや、「m_____0321」の「地球に優しいのはいいよね！ロフト行ってみまーす✨」というコメントは、投稿者の紹介した商品やイベントに対する直接的な興味や参加意欲を示しています。
一方で、投稿者の容姿や他の場所に関するコメントも多く、全体的な購買への影響力を考えると、中程度と評価できます。しかし、具体的な商品に対する購買意欲を示すコメントがあるため、その商品に対する影響力はポジティブと言えます。
5位：@ngs.rky.kuy
- エンゲージメントスコア:2685
- いいね数:2665
- コメント数:10
この投稿は、ベビー商品「CORORon」について言及しています。投稿者は商品について具体的な説明を行い、購入を推奨する情報を提供しています。彼女が信頼しているブランドであること、そして商品の使用感や便利さ、さらには新商品発売記念キャンペーンの情報も述べられており、これらはフォロワーの購買意欲を引き出す可能性があります。
しかし、投稿へのコメントを見ると、商品やブランドについての言及は見受けられず、投稿者や投稿者の家族についての好意的なコメントが主であることがわかります。これらのコメントは投稿者への個人的な好意を示していますが、商品に対する具体的な興味や購買意欲を示すものではありません。
したがって、この投稿の購買への影響力を評価すると、ネガティブな側面が強いと考えられます。商品への具体的な反応や興味が見受けられないため、この投稿が直接的な購買につながる可能性は低いと言えます。
4位：@k.yo02
- エンゲージメントスコア:2721
- いいね数:2721
- コメント数:0
この投稿は、主に食事内容とそれを提供するブランド「おかわりさん」について触れています。投稿者は食事の内容を詳細に記述し、その美味しさをフォロワーに伝えています。また、ハッシュタグにより和食や食事、暮らしをテーマにした他の投稿や情報とつながることで、より広範囲な関心を引きつけています。
また、投稿の最後に「#pr」タグと「#okawarikun88」タグがあり、これにより投稿者が「おかわりさん」からのプロモーションを行っていることが明示されています。これにより、フォロワーは投稿者が信頼するブランドであると認識できます。
しかしながら、この投稿にはフォロワーからの具体的な反応やコメントがないため、直接的な購買への影響力を評価するのは難しいです。投稿内容とハッシュタグの戦略から推測すると、和食や食事に興味があるフォロワーに対する影響力はあると考えられますが、具体的な購買行動につながるかどうかは不明です。
3位：@jeeunso4you
- エンゲージメントスコア:5229
- いいね数:5185
- コメント数:22
この投稿は、ファッションブランド「LEWKIN」のアイテムを着用した投稿者のスタイルを紹介しています。投稿の内容とハッシュタグから、ブランドとの提携が示されており、特定のクーポンコードを使用すると割引が適用されることが明示されています。これは、フォロワーに商品を購入するきっかけを与えています。
コメントを見ると、フォロワーの反応は主に二つのカテゴリーに分けられます。一つ目は投稿者のスタイルや容姿を賞賛するもの（例：「so cute💕」、「I love your fashion Onnieホントに可愛いー！！♡💜♡」、「prettyyy 💙」）で、二つ目は特定のアイテムについての質問や関心（例：「1番最後のジーンズ、ぜんちゃんが着用されているサイズ伺いたいです！」「どこのPCケース使っているか知りたいです🥹🤍」、「ブーツどこのですかー？？😳」、「シルバーのハートのネックレスどこのか知りたいです！」）です。
このような反応から見て、投稿はフォロワーにとって商品についての興味や関心を引き出すのに一定の影響力を持っています。特に、具体的な商品についての質問や詳細を尋ねるコメントは、購買行動へとつながる可能性が高いと考えられます。しかし、一部のコメントは投稿者の外見やパーソナリティに対する賞賛が中心で、これらは直接的な商品購買への影響を示すものではないかもしれません。
したがって、この投稿はフォロワーの購買行動に対して中程度の影響力があると評価できます。具体的な商品に対する関心や質問はポジティブな影響を与えていますが、投稿者への賞賛が多いことはその影響力を少し減らしているかもしれません。
2位：@asuka_kijima
- エンゲージメントスコア:13830
- いいね数:13672
- コメント数:79
この投稿を見ると、多くのコメントが投稿者の容姿や雰囲気について言及しており、商品自体への言及は少ないことがわかります。ただし、一部のコメントは商品やブランドに直接言及しています（例えば、「az_maco」が投稿者が以前にディオールのリップを推奨した経験に言及し、「amnh_5027」がディオールの製品パッケージのデザインについて言及）。
したがって、この投稿の影響力を評価すると、フォロワーの購買意欲に対する直接的な影響力は限定的かもしれません。多くのフォロワーが投稿者自体の魅力に引きつけられ、それが商品に対する興味や欲望に直接つながっているわけではなさそうです。ただし、投稿者の影響力は間接的に商品に興味を持つきっかけになっている可能性があります。つまり、彼女が好きな製品やブランドに対してフォロワーが自然と興味を持つという形です。
一方で、商品やブランドへの言及がもっと多ければ、それが直接的な購買意欲につながる可能性が高まるでしょう。投稿の内容を見直し、投稿者が製品をどのように使用しているか、なぜそれをお勧めするのかについてもっと具体的に説明すると、フォロワーが製品について理解し、購入の決断を下すのに役立つかもしれません。
1位：@mi0306chi
- エンゲージメントスコア:17986
- いいね数:17920
- コメント数:33
投稿者のmi0306chiはMISS DIOR BLOOMING BOUQUETのボディーケアコレクションについて紹介していますが、そのコメントセクションを見てみると、多くのユーザーは商品そのものよりも投稿者本人やその他の要素（ピンクの服装やブレスレットなど）についてコメントしています。そのため、この投稿の直接的な商品購買への影響力はかなり限定的と言えます。
しかし、投稿者のビジュアルとプレゼンテーションは明らかに人気があり、フォロワーからの感情的な反応が非常に強いです。これは、投稿者のブランド価値や影響力が高いことを示しており、彼女の意見や推奨が間接的にフォロワーの購買行動に影響を与える可能性が高いです。
ただし、ブランドにとってはこのような投稿が商品への直接的な興味や注目を創出するのではなく、ブランドイメージや認知度の向上に寄与する可能性が高いと理解することが重要です。次に行うべきステップとしては、投稿者が製品自体により多くの焦点を当てるような投稿を増やすか、製品の特性や使用感をもっと詳しく説明することで、具体的な商品購買への影響力を高める戦略を検討することをおすすめします。
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